最近、日本でも家庭用常設プールの
メーカーが多く進出してきましたね
どのメーカーのプールが自分に合っているのか
迷ってしまいます




現在日本では、ざまざまな国のプールが
輸入販売されています
国別では・フランス・アメリカ・
オーストラリア・スペイン・日本などです





フランス製
アメリカ製
オーストラリア製
スペイン製
日本製
そこでさまざまなプールの選定ポイント
設置場所のポイント屋外、屋内、屋上などなど
感じていることをお伝えします
一人の意見として見ていただければと思います
まず最初に
作り方もさまざま、長所短所もさまざま
プールメーカーからたくさん見積を
とって比較するのはいいことだと思いますが
絶対にコストが安いということだけで、
絶対に決めないでください

以下、個人的なお話となりますが選定のポイントをお話しします
02_メンテナンス
プールも機械物ですから、メーカーのメンテナンス体制がキチンとしているのか重要です。

工事店がとんでもなく遠いところからきているのですぐにいけないとか、
修理する部材がすぐに手に入らないとか、ランニングコストである消耗品
(塩素タブレット、液などの薬剤)が簡単に手に入るのか、
販売店に確認をしておきましょう。
導入後のトラブルにならないように注意が必要ですね。
私は建築士で長年建築に携わっていますので、家でもそうなのですが、
完成してからの管理・メンテナンスが一番大事だと思っています。
家もそうですが、キチンと修繕費を貯めて12年後に大規模修繕を!
とお引き渡し時施主にお願いしています。
03_施工技術と経験
最近では、プール施工の実績が乏しい施工会社が工事を行い、
トラブルになったケースを聞いたことがあります

特に、プール構造体の施工精度や防水性能が重要でプールの急所は水漏れのないことです。
そのメーカーが世界で、日本でどれくらい実績があるのか、
施工技術の難易度はどうかなど専門家に聞いて見るといいかもしれません。
ネットは情報ではよくわからないので、くれぐれもご注意を。
04_防水性能

メーカーにより防水仕様・性能は異なりますが、大きく分けて2つの工法があります。
1つ目は、仕上げがタイル、石などを使う在来工法というもので
プールの構造体に湿式の防水を施します。
メリットは、仕上げには様々な建材が選定可能であることです。
意匠により思うままにデザインが可能です。
デメリットとして、指針などで躯体にクラック(ひび割れ)が発生した時に
仕上げの建材も同時に割れてしまう可能性があり
その際には大規模な補修工事が必要となってきます。
2つ目は、ライナー工法でロール状になった硬質塩ビシートで
熱溶接を行い防水するもので、ヨーロッパでは主流になっているようです。
メリットは、仕上げと躯体とは、水圧で密着しているものが多く、
万一地震などで躯体にクラックが入っても、仕上げのシートと
縁が切れているのでシートに亀裂が入りづらいことです。
デメリットとして、硬質塩ビシートとはいえ、例えば鋭利な突起物が
シートに当たってしまうと破れてしまいます。
実際よほどのことがなければ破れませんが万一亀裂が入り漏水した場合には
シートを補強し漏水を止めることが比較的簡単にできます。
また保証期間は10年程度が多いようです。
熱溶接するライナーの防水は熟練工でないと心配ですのでこちらもチェックを。
05_濾過性能
最近の家庭用プールは、一年中綺麗な水で入っても
水景として見ても愉しめる仕様となっています。
その際に大事なのが,濾過器というプールのゴミを
吸収して綺麗な水に濾過する設備です。
モーター(ポンプ)を使い水を循環させているのですが、濾過方式がメーカーにより違いがあります。
ろ過方法は大きく分けて、砂濾過方式とフィルタ-方式の2種類あります。


フィルター方式
砂ろ過方式
どちらもメンテナンスが必要なのですが、
砂濾過方式のメンテナンスは、一般的に専門業者に委託しなければできません。
一方、フィルター方式は、掃除機と同じような筒形のものが多いのですが、
そのフィルターカセットをオーナー自身でメンテナンスできます。
メーカーにより扱い方が異なりますが、シャワー水で洗い流すだけです。
このように専門的なことになると何がなんだか?と思いますが、
濾過方式はランニングコストに大きく影響がありますので重要です。
06_プールの構造体
プールの構造体は、
パネル方式と在来コンクリート方式、
大きく2つに分けられます。
パネル方式は、鉄板で壁をつくる方法やポリプロピレン製のブロックを
組み合わせて、コンクリートを充てんする方法があります。
在来コンクリート方式は、構造計算により鉄筋コンクリート設計して
型枠のなかに鉄筋とコンクリートを充てんします。
各社、コストや耐久性が異なりますので自分にあった仕様を選択しましょう!



コンクリート造躯体イメージ
パネル躯体イメージ
パネル躯体イメージ
ここまでは、テクニカル的なチェックポイントでした。
後半は、以下どちらかというと最も大切なチェックポイントです。
07_プールを購入する目的
次に注意するべき点は、購入者自身のことなんですが
プールを購入する目的を明確にすることです。
ただなんとなく格好がいいからとか他の家と差別化したいからとか
明確な目的がないとせっかく入れたプールを
まったく使わなくなるというとこがよくあります。
よくお客様が言われることなんですが、
「こんな小さなプールでは泳ぐことはできないね」と。
無論泳ぐために満足できる長さは、25mくらいあれば十分ですが。
しかし外国製の家庭用プールは、日本では標準サイズが6m~10mくらいで、
25mもないのがほとんどです。土地事情にもよるのでしょう。
なぜかというと海外の家庭用プールは、泳いでスポーツをするためのプールではなく、
その目的のほとんどは、愉しむためのプールなのです。
家族や仲間とプールサイドでパーティーやったりバーベキューを楽しんだり、
水の中で浮かんでくつろいだり、水景として水の揺らぎや煌めきを昼も夜も
愉しんだりということで設置されているのです。



以前は、超富裕層とされる方々が、数億する別荘や自宅に高額な屋内インドアプールなどを
設置している事例がモダンリビングなどに掲載されていますが、
最近では、普通の家?というのも変ですが・・プールのコスパがどんどん良くなっており、
富裕層の方でなくても余裕でプール付きの家を手に入れることができるようになりました。
自身がどのような目的でプールを設置したいのか、
一年中プールに入って楽しみたいのか、
冬は水景のみ楽しみ夏だけ常温で入るのか。
室内温水インドアプールは、設計に工夫が必要ですので
必ず手慣れた経験のある設計士に依頼しましょう。
プールのある家の中で、残念なのは、
ただお庭にプールを置いただけという残念な施工事例が多いということです。
あまりに間取りや設備を優先するあまり、庭の形状やプールの大きさなどが
後回しになり、家とのバランス、室内空間と屋外空間とが
チグハグになってしまいます。
以上より、プールをなぜ購入するのか、よ~く検討することをお勧めします。
08_まとめ
必ずチェックしたい「重要8項目」
*コスト(見積)だけで絶対に決めない。
*保証を確認する
*メンテナンス体制がきちんとしているのか
*施工技術と経験が十分か
*防水性能は問題ないか
*ろ過性能の比較をする
*躯体構造を理解する
*プールを購入する目的を明確に
その他まだまだプールの施工については、特殊条件により
施工方法・コストも大きく変わることがあります。
水位が高い土地、軟弱地盤、高低差のある土地は、特に注意が必要です。
まずは、経験豊富なメーカー・施工業者を選定しましょう!
イニシャルコストとランニングコスト、トラブル事例は
次回、チェックポイント02でお伝えします。
最後まで見ていただきありがとうございました。
少しでも参考となればうれしいです。